2012年07月12日

リアルアクター

かつて、ある演出家のワークショップを受けたとき

「〜したくない」というネガティブな感情をいくつも持つより
「これをしたい」という積極的な理由をひとつ見つけなさい。

とアドバイスされたことがあった。

自分がそこに立っている理由は何なのか
それを見つけられたら舞台上でも自由でいられる。

役者(ACTOR)の仕事は行動(ACT)することなんだよ。
君たちは素晴らしい仕事を選んだんだ。

と。

もちろんこれは芝居の話で
現実には逆のことが起こっている。

気がついたときには行動しているのだ。

僕が今回、頼まれてもいないのにくっついていったのもそれかもしれない。
あとから理由を考えれば、ただ「芝居を観たい」
と思っただけなのだ。

もちろん、本来なら舞台に立っていたいけれど、

「いやあ、泣いてしまった」

という石巻の人たちのストレート過ぎる言葉を聞いて、
それだけでも来てよかったと思った。



よく想像する。

空から大きな手が降りてきて
傷んだり、汚れたところをすくい取ってくれないかと。
正義のヒーローが助けてくれはしないかと。

人間が汚してしまった自然や、作り出してしまった異物を
取り除いてくれたらどんなにいいだろうと。


もちろんそんなことはなく。


海を愛する人間は漁師になり、
音楽が好きな人はミュージシャンになり、
芝居をしたいヤツは役者になる。

それぞれが漁をして、演奏をし、芝居する。

それしかできないし、それでいいのだ。

そして近くの人の手を取り、遠くに届けるしかない。


人が人を救う手立てはそこから生まれるのだ。

IMG_6089.JPG

それにしてもこの男の舞台は広い。
そして何より自由すぎる。

生まれながらのアクターだ。

おわり?
posted by Naoki Saitoh at 02:31| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記