2007年05月20日

「バベル」

2006(アメリカ)
うーん、これを「バベル」と題してしまうのはあまりにも乱暴な気がするなあ。確かに言葉や世代や家族や社会やいろんな壁に隔てられた人間の苦しみを描こうとしていたけど、あまりにも思わせぶりな「フリ」が多くて、しかもそれが集約されてなくて、とっちらかったまま終わってしまいました。何かひとつ納得させてくれればいいんだけど、そうじゃないと細かいところまで突きたくなる。チエコがバレーボール部なのも、男たちと真昼間の公園で酒と薬飲んじゃうのも、もっと言えば聾唖ゆえの苦しみも、どれもこれも積み重なっていかないから「ああ、そういうこともあるんだろうね」と思って進んでいくしかない。パンツ脱いで見せちゃったり、歯医者さんにキスしちゃったり、いきなり全裸で刑事の前に出てきたり。ヘタするとただ軽い女の子に見えちゃうのだ。刑事に渡したメモなんてすっごいいろいろ書いてあったのに(しかもあんな短時間で)最後にあれを見せないのは乱暴すぎる。とにかく、日本のエピソード自体「ハッサンにあげたライフル」だけっていうのがこじつけで薄かった。役所さんとハッサンの2ショットの写真なんか合成でギャグみたいだったし、奥さんが銃で自殺したことが本当なら、それくらい刑事は知ってなきゃいけないのに「ベランダから飛び降りたそうですね」なんて娘の言葉を鵜呑みにしてしまったり。娘が裸でベランダに立ってるんだから抱き合ってる場合じゃないだろ、だったり。とまあ日本パートだけでもいろいろとあるもんだから全部言い出したらキリがない。要するに、登場人物の気持ちがよく分からなかったのです。唯一、リチャードの通訳が金を受け取らなかったのが「ああ、本当にいい人なんだなあ」と思ったくらいです。これでも、話題になるというのは役者に助けられたのだなあ、と思った映画なのでした。今度二階堂さんに会ったらいろいろ質問しよ。
posted by Naoki Saitoh at 03:08| Comment(0) | TrackBack(0) | コラムI
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