2012年07月11日

ケツシゲTV

東浜小学校での公演はスポットライトの手が足りずに
めでたく照明部デビューを果たした僕ですが、
石巻市中央公民館ではお役御免。

音響はピースボートのウマさんがバッチリだし、
カメラはピースボートのショーイチくんが押さえてるし、
会場準備もピースボートの皆さんがやってくれるし、

・・・

どんだけ手際がいいんだピースボート!


しかもこの日は鹿児島出身の吉俣さんの力もあってか
KTS(鹿児島テレビ Kagoshima Television Station)のクルーが取材に来ていた。
7月末の鹿児島公演に向けてモリモリ期待が膨らむというもんです。

デジタル一眼レフを持っていったんですがね
なんかこうプロヘッショナルがたくさんいると
素人がカメラを構えるのが恥ずかしくなって後半ほとんど写真を撮っていないわけですよ。


ホント、役者って芝居してないと役立たず。


で、カメラを持て余してると
「ちょっと貸してください」とか言われて
こんな写真を撮られちゃうわけですよ。

IMG_6111.JPG
撮影:田口智也

フィルムの時代だったらバカヤローですよ。


・・・


悔しいから取材陣を撮ってやったぜ。

IMG_6120.JPG

KTS、本当はKaTsuShigeテレビジョンの略だぜ!

そろそろおわる
posted by Naoki Saitoh at 22:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年07月10日

ツッコミスト

石ノ森萬画館がある。

ということで街中に仮面ライダーやらアカレンジャーやらロボコンやらが立っている。

中でもサイボーグ009のメンバーは商店街に沿って一人ずつ立っているので
(001は005が担いでいる)
マンガファンでなくても写真を撮ってコンプリートしたくなる。


電車で来た人は002が見つけにくいとか
駅から歩いて行くと009を先に見つけてしまって
どんどんメンバーが地味になっていくとか
いろいろツッコミを入れたくなりますが、

009っていうと僕は

あかーいマーフーラー、なびーかーせてー♪

って歌が出てきちゃうんですけど、今は黄色ですよね。
ていうかそもそも白黒ですよね、この時代。
しかも007のキャラがまったく違うし。

その時代時代で結構ルックスが違うのもまた面白いんですけど
今年公開になる「009 RE:CYBORG」
もうさらに改造された上に整形されたんじゃないかってくらい変わってます。

まあいろいろありますが、ツッコミどころがあるのが
マンガのいいところなんではないかと。


PhotoGrid_1341048530596.jpg

よくよく見ると009の手の向きがね、不自然なんじゃないかと。

・・・

正しいツッコミ例はこちらをどうぞ。


芝居と関係ないっていうツッコミはナシで。

つづく
posted by Naoki Saitoh at 21:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年07月09日

コケケッコー

よっちゃんとは2002年の地球ゴージャスからの付き合い。
(まあ、フクさんともそうですが)

アクションを教えてもらったり、
ダンスを教えたり、
バカをされたり、
バカをし返したり、

気づいたら色々変わってたり、
なんにも変わってなかったり、

まあ、そんなこんなの10年でした。

会わない時期もあったけど、そこは同級生、
顔を合わせると時間を超えられる気がします。
(同い年ということです。クラスメイトではありません)

そんなよっちゃんたちと日和山にのぼってみる。

2012-0630-151513807.JPG


ちなみに去年はこんな感じでした。

2011-06-04 08.22.22.jpg

比べてみるとだいぶきれいになった感じはします。
でもそれはものが無くなって緑が増えただけ。

かつてそこにあった命は永遠に失われてしまったままだ。




しばし休憩してまた坂を下る。
当然のことだが上った分だけ下る。


道々、苔に反応するよっちゃん。
しばらく会わなかったうちに苔に興味を持ったそうだ。
聞いてはいたがこれほどまでとは。

苔について熱く語るよっちゃん。
暑苦しく語るよっちゃん。

ちょっといじわるで聞いてみた。

「苔は好きだけど、苔にされるのは嫌でしょ?」

意外な答えが返ってきた。

「・・・ん〜、でもね、苔が好きになってからね、そういうの気にならなくなった。勝手に言ってろって思うようになった」


完全に苔の立場からの言葉だった。


でも家族を持って強くなったよっちゃんがそこにいた、
ような気がした。

つづく
posted by Naoki Saitoh at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年07月08日

愛される理由

爆笑して目が覚めたのは生まれて初めてかもしれない。

だって眼開けたら横にこの光景。

205387_278231952284235_1906530998_n.jpg


さて、この日は石巻市内の中心部に移動。


IMG_6070 (800x533).jpg

サヨナラ鹿立浜。

IMG_6110.JPG

コンニチハ石ノ森萬画館。

2012-0630-110052790.JPG

イタダキマス海鮮丼。

IMG_6113 (533x800).jpg

オヤクソク仮面ライダー。

・・・

この男もやっていた。

つづく
posted by Naoki Saitoh at 00:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年07月07日

オトナカイ?

拠点に戻ってからの宴。

よく考えたら皆さんのお住まいですからね、
ここでご馳走になってもいいものかと思ったんですが
浜の漁師を束ねる荒波牡蠣復活委員会の石森さんが
率先して騒いでいるのでここはひとつお言葉に甘えて。


今回の石巻ではラストの映像に作曲家の吉俣さんが曲をつけて
しかも生演奏をするという豪華版だったわけですが

IMG_6099.JPG
リハですよ。お客さん1人って・・・しかもこれ田口くんですから。


石森さんは終始、彼を知ってか知らずか「ピアノの先生」と呼び、
吉俣さんもそれをニコニコ聞いてました。
さすがプロ、すごさを感じさせません。

そんな吉俣さんが「海と共につながる会」の
ミサンガを50個も大人買い。

そりゃ僕だって1個や・・・
ええ、1個購入しましたよ。

IMG_6121.JPG
これがホントの「いいね!」ですよ。


石森さん、これ見て

「サイトウぐん、それもらっだのが?」

って、この状況でもらうわけないでしょ!


なんて楽しいやりとりしてる間に夜も更け、

IMG_6107.JPG
フクさん撃沈。

いい夢見ろよ!

つづく
posted by Naoki Saitoh at 22:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年07月06日

ドリフ的大感動

心配だったお客さんもご覧の通り。


IMG_6101.JPG

子供たちの姿が多いですねえ。
上演中じっとしててねぇ・・・


フクさんとよっちゃんのオモシロ掛け合いで幕開け。
子供たちも喜んでいる様子。

と思ったら、まさかの田口くん登場でバカウケ。

なんだろう、この破壊力は。
ドリフ級だ。

中盤、フクさんとよっちゃんが支援のあり方について口論するシーンあたりから
不穏な空気を感じたのか、客席にも緊張感が。

そして後半はすすり泣く声も。
漁業支援をするよっちゃんの「ヤス」に気持ちが入ってしまうのも
この浜の人たちからみたら当然のことでしょう。

ここだけの話、僕も毎回よっちゃんのシーンではちょっとうるっとします。
いやそれはくやしい、脚本がいいんだな。
いやいや、それもくやしい、自分の感性がいいんだな。

そうだそうだ、そういうことにしとこう。


小さな浜に大感動を呼びおこした3人。
笑いも涙もドリフ級。

IMG_6105.JPG
(写真はブレてるけど芝居はブレてません)

ん、ドリフに涙はないか。

つづく
posted by Naoki Saitoh at 10:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年07月05日

レツゴー三匹

鹿立浜では仮設住宅の談話室を拠点にさせてもらった。

まあ僕からしてみれば
「仮設住宅の談話室にお世話になっている3人のところにお邪魔させてもらった」
わけですけど。


浜から帰ってスタッフさんの到着を待ち最終稽古。
といっても住宅の一角なのでトーンは抑えめ。
それでもスタッフの中にはすでに涙目の人も。
いやいや、早いでしょう。

だってこんな感じですよ。

IMG_6082.JPG

真ん中の人、絶対「三波春夫でございます」って言ってるでしょ。

・・・

ともあれ、今日の会場、東浜小学校に移動。

IMG_6084.JPG

雨予報でしたよね?
誰だ、晴れ男は?俺か?


IMG_6085.JPG

バスに乗り遅れたら大変でしょうね。


IMG_6103.JPG

そう、この日の会場は体育館。

3人はお客さんが来るのかどうかを心配してましたがね、
まずこの舞台を3人で埋められるのか!?

がしかし、ご安心を。
見よ、この余裕のポーズを!!!

IMG_6094.JPG

よ、三波春夫!

つづく
posted by Naoki Saitoh at 18:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年07月04日

スダチハマへ

ピースボートのショーイチくんに石巻駅でピックアップしてもらい牡鹿半島の鹿立浜へ。

ショーイチくんとは初対面だがフクさんが事前に頼んでくれていたのだ。

IMG_6091.JPG
まったく、オレンジ色の憎いヤツだ。



鹿が立つ、と書いてスダチと読むそうだ。
実際にシカがたくさんいるらしい。

絵に描いたようなのどかな浜。

IMG_6072.JPG


ショーイチくん、キャストのよっちゃんと田口くんと4人で浜を散策。
皆、言葉少なに思い思いにシャッターを切る。


IMG_6071.JPG



ちなみにショーイチくん(奥)はプロのキャメラマンだそう。
たしかによっちゃん(手前左)や田口くん(手前右)とはカメラを構える空気が違う。
トーシローが簡単に近寄りがたい雰囲気がある。


僕はというと、奇跡的にこんな写真が撮れた。

IMG_6076.JPG

IMG_6074.JPG
うーん、アーティスティック。


IMG_6073.JPG
そしてセカチュー的なこのショット。


こんな2人+オレンジ野郎が数時間後、
この小さな浜に感動の嵐を呼ぼうと誰が予測できただろうか。

つづく
posted by Naoki Saitoh at 22:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年07月03日

フクノシゲといた時間

シゲさん。

その男はここではそう呼ばれている。

カツシゲだから普通略したら「カツさん」になりそうだがシゲさんだ。
だったらフクさんでもシマさんでもよさそうだがシゲさんだ。

そんなシゲさんの芝居「イシノマキにいた時間」を石巻でやると聞いたので
頼まれてもいないのに同行してきた。


去年の5月にやはりシゲさんを追って石巻に来たとき

「こっちで芝居しようおもてんねん」

と遠い目をして言っていたことを思い出す。

まさに有言実行の男。
不可能を可能にする男。
いや、可能なことを可能な限りやる男。

昨日は東京、今日は石巻、明日は・・・
この人を見ていると日本はおろか、地球って狭いなあと感じるのだ。

そんなシゲさんを追って再び北へ。

しかし・・・深夜バスはつらい。
首がもげるかと思った。

「俺なんかマイレージがあったら相当貯まってるで」

うーん、僕にとってまだまだ世界は広い。

IMG_6089.JPG

やっぱり「シゲさん」は呼びなれない。

フクさんから始めることにします。

つづく
posted by Naoki Saitoh at 01:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年07月02日

達観

サロメの本番も終わりに差しかかったとき、
挨拶以外はほとんど言葉を交わさなかったキャストの一人と飲みに行き、
話をする機会があった。

「サイトウさんて達観してるんですか?」

そんな風に見られてるんだ、と思ったら
重大にもこう言われた。

「そうそう、この人何センチか地面から浮いてるから」

どういう意味で言っていたのかよくわからないが
思い当たるフシはある。

良くも悪くも一歩引いて物事をとらえるクセがある、
と自分でも思う。


こうしたら面白いんじゃないか。
こう動いたらバランス良く見えるんじゃないか。

必要以上に客観的に、俯瞰してみるクセは
ときとして演出家や共演者からみて鬱陶しいだろう、とも思う。

「今回こそは黙っていよう」

と思っていても、ついつい口を出す自分は
自分でもうるさいなあ、と思うし
そう思われてるとも思うし、
もしかしたら役者には向いていないんじゃないかと感じることもある。

黙々と役者として出来うることを考えている人に敬意を払うことも、
どうして疑問に思わないんだろう、と苛立つこともある。

「達観」という言葉を良い意味でとらえれば、
冷静沈着ということかもしれないが、
ある意味イジっても面白くなく、
演出家によっては面倒くさいヤツに映るだろう。

まあ、ここまできたらとことん浮いててやろう、ドラえもんみたいに。

それが僕の個性なのかもしれない。
posted by Naoki Saitoh at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年04月28日

黄金週間?

そのありがたみを感じたことは今までありません。
地下にこもって稽古三昧。

533086_398183196869939_100000347878390_1311695_1294734627_n.jpg

それこそ最上の贅沢。
posted by Naoki Saitoh at 19:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年04月23日

着到板

到着板でなく。
毎回「あ、裏返してくださいね」と言われる。

580950_394220260599566_100000347878390_1303662_616918440_n.jpg

早くスッとひっくり返せるようになりたい。
posted by Naoki Saitoh at 00:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年04月22日

宗教学講座

人種が大杉漣。
でも宗教学は面白い。

295089_393522980669294_100000347878390_1301235_1666664495_n.jpg

どうして大学で勉強しなかったんだろう。
posted by Naoki Saitoh at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年04月21日

本読み

カチカチの冷凍ミカンが融けてく感じ?
違うか。

575743_392970250724567_100000347878390_1298952_208748404_n.jpg

それにしてもキャストの比率、女1:男14。
posted by Naoki Saitoh at 21:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年04月20日

初新国

12年ぶりの亜門さん。
さすがの求心力。

2012-0420-134140680.JPG

まずは共演者の名前を覚えるのが課題。
posted by Naoki Saitoh at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年03月12日

「イシノマキにいた時間」を観た時間

確か先月は北の国でフクシマさんとコントをしていたような。

チケットも売れ行きがいいらしいし、
年末に観たから遠慮しようかと前日まで思っていたがやはり行ってよかった。

「えらいなあ、すごいなあ、なかなかここまで形にする人いないよなあ」
と、前回は芝居にしたという事実に拍手を贈った気がする。

今回はキャストも3人になってパワーアップしたのはもちろん、
芝居として成長したというか(偉そうにすみません)
演劇が持つ意義とか意味とか含めて
長い目で見てずっと育っていく作品になるだろうなと思ったわけです。

もともと演劇ってそういうものだし
役者としての存在意義みたいなものを見せられたような。

信じられないことにあれから1年経ったけれど
まだまだ先は見えないし、
本当に復興したこの国を僕らが生きている間に見届けることができるかわかりません。

けれど、被災地が少しずつ立ちあがるのと共に、この作品も育っていくとしたら、
そしてその逆に皆が「イシノマキにいた時間」を観た時間が、少しでも復興につながるのであれば
こんなに希望の持てることはない、と演劇人としても思うのです。

震災をテーマにした芝居はこれからも多く出てくるでしょうが
これだけ生の言葉を伝えられる人はあまりいないでしょう。
今回見逃した方は次回ぜひ(あるはずです)。

涙はありますが湿っぽくも説教くさくもなく、
ボランティアの話ですが適度に客観的で
そしてなんといっても笑えます(ここ大事)。

前回から3カ月で1人キャストが増えるペース、
とすると今年の年末には倍、
数年後には大所帯になっていることでしょう。

下北から全国、全国から世界へ

あ、勝手に広げすぎました。


まあ褒めすぎですが、唯一文句があるのは
僕の名前が振付協力としてチラシに載っていないことです。

そこんとこ、よろしく。
posted by Naoki Saitoh at 19:09| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2012年02月21日

拝啓、ケイコちゃん


(動画はイメージです)


去年の11月、「炎の人」という芝居で富良野に行ったとき
確か富良野演劇工場の工場長とこんな会話を交わしたわけで。

工「あのバカども、また2月に来るんですよ!」
僕「それは大変ですね」

・・・

その晩、夢をみた。

僕はKARAを踊ったり、サラリーマンになったり
北風になったり主婦になったりタップを踏んだり父さんと一緒にガガを踊ったり
またサラリーマンになってそれからスーパーマンに変身して悪と闘ったり・・・

なかでも「北風と太陽」では
青い総タイツを着た僕が太陽と月を相手にヘーコラしているというもので・・・

月は工場長にそっくりであり・・・

その月の家はとっても暖かく、働き者の奥さんと
ちょっぴりシャイでワカバヤシのことを大嫌いな女の子がいて
犬と戯れながら夜更けまでみんなドンチャンやっており、

そんな僕たちのことを富良野の人たちは暖かく迎えてくれ、
温泉に行きたいと言えば送迎をして、スキーがしたいと言えば半額クーポンをくれ、
スープカレーを堪能し、手打ちそばに唸り、大盛り豚丼に驚愕し、

たとえワカバヤシが鏡を割っても、スーツケースを新車にぶつけても、車に乗り遅れても
決して煮えたぎる怒りを表に出さず、「なんもなんも」と笑い飛ばし、

・・・

ケイコちゃん、

あれから3カ月、あの晩の夢は現実のものとなり
僕も立派に「バカども」の仲間入り・・・

というかもともと仲間だったのをあの時は隠していたわけで・・・

デジタル一眼レフを持って行ったのに舞台の写真がいっさいなく、
撮ったのは打ち上げの写真だけだったのは
現実を直視できない気持ちの現れだったと思われ・・・

IMG_6026.JPG

ケイコちゃん、

北海道は僕の体質には、合っていると思われ・・・
posted by Naoki Saitoh at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年02月18日

終わったわけで

ご無沙汰しちゃってます。

次回はこんなんです。

富良野ですが・・・

389429_170151133092318_100002922988372_292711_78562464_n.jpg
posted by Naoki Saitoh at 17:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年01月27日

絆とか頑張ろうとか

頑張らなくてもいいとかなんとかかんとか。


高校の同級生が亡くなった。


年末に知らせを受けたときはすでに葬儀が終わっており、
お別れの会も地方公演で行かれなかった。

年が明けて少し時間も経ったので、ご両親に電話をして
実家に帰るその足でお参りさせてもらうことに。

覚えている限り、その駅で降りたことはなかった。
改札を出て改めて電話すると途中まで迎えに来てくれるとのこと。
病院脇の急な坂道を登り、地図を見ながらウロウロしていると
向こうからそれらしき女性が歩いてきた。

「斉藤さんですか」
「はい、お母様ですか」

地図を見ながら探して伺いますと言ったものの、
やはり迎えに来てもらってよかった。

広い団地の中から家を探すのに苦労したはずだ。
バスの本数は少なく、最寄りの駅から大人の足でも15分はかかる。
お母さんはご近所さんと挨拶を交わしながら案内をしてくれた。

家に着くとお父さんが出迎えてくれた。

「すみませんね、散らかっていて」

カーペット張りの廊下から居間へ通された。
遺影が微笑んでいる。というよりは笑っている。
そうだ。よく笑う、大きい口だった。

彼はサッカー部だったが、ギターも好きだったらしく、
入学して間もなくバンドもやりたいと言い出し、
僕を含むブラバンの3人が駆り出され、結局ベースを担当することになった。

高校を卒業してあまり連絡を取ることは無くなったが、
まだ音楽を続けていることは噂に聞いていた。

3年間クラス替えのない高校だったのでみんな仲が良く、
1年ほど前の忘年会で久々に再会したときには
自主製作のCDをみんなに手売りをしていた。
みんな半ば強制的に買わされて文句を言いつつも盛り上がったのはつい最近のことだ。

そんな思い出話や、僕が役者をしていること、
彼が「今度コラボしようぜ」と忘年会以降に数回電話をしてきたこと、
震災の話やら関係のない、たわいのない話までしているうちに1時間は経ってしまった。

そろそろ切り上げなければと思った時、
話の流れで妹がいたことを思い出し、口にすると一瞬ご両親の顔が曇った。

「実は娘も数年前に亡くなりまして」

そう言いながらお母さんはテーブルの下から風呂敷に包んだ遺影を出して見せてくれた。

これには言葉が出なかった。

妹がいれば助けになるかもしれないと思って話題にしたのに全くの予想外だった。
お父さんが「楽にしてください」と何度も言うので、途中からあぐらをかいていたが、
思わず正座し直した。

彼は長いこと精神を病んで入退院を繰り返していたそうだが、
妹が亡くなって更に大きなショックを受けていたのだそうだ。

「親から順に死ぬのが普通ですけどね、うちは完全に真逆を行ってまして。あとは2人の人生を整理していくだけです」

想像もつかない経験をして涙腺がどうかしてしまったのだろう、
お母さんは泣くともなく涙を流していた。

「私と違って彼は優しかったですね、優しすぎたんですかね。音楽が好きでね。いい人生だったと思いますよ」

何度も同じセリフを繰り返すお父さん。



帰り道はお父さんが駅まで送ってくれた。
断ろうかとも思ったがここはありがたくお願いすることにした。

途中、リュックを背負った女性が駅への道を尋ねてきた。
近くにはハイキングやクライミングにちょうどいい山がある。
女性はその帰り道、迷ってしまったらしい。

「一緒に行きましょう」

お父さんを先頭に、僕らは3人連れだって駅へ向かった。

この人は僕とこの男性の関係を知らない。
僕がさっきまで何をしていたか、この人は知らないのだ。
なんとなく救われた気がした。


彼が亡くなったと聞いたとき、正直僕は涙が出なかった。
遺影を目にしてもなお、実感がわかなかった。
今でもそうだ。

そうか、いなくなったのか、と思うだけだ。

ただこうして、彼が40年にわたって慣れ親しんだ坂道を歩き、彼が住んでいた家を訪ね、彼を産んで育てたご両親に会い、話をして、彼が確かに生きていた痕跡に触れ、ご両親の苦悩を考えずにはいられなかった。

駅に着きハイキングの女性は礼を言って反対側のホームへ。
お父さんはまた坂道を上がっていく。
彼も通ったかもしれない幼稚園の脇を通り、公園を抜け、団地に出て、奥さんの待つ静かな家へ。



絆とか頑張ろうとか。

言葉だけウヨウヨさまよっている世の中を僕は信じない。

人はいつか死ぬ。

悲しいのは人間が死ぬことより、
大切な人をなくして悲しんでいる人をみることだ。

それが人間だ。


「ライブに行けばよかった」


クラスメイトとそんな言葉を交わした。

それは今だから言うのだ。

たぶん僕が死んでも

「ああ、斉藤の舞台を観に行けばよかった」

そう言われるんだと思う。

それでいいんだと思う。



玄関先で見送ってくれたお母さんがこう言った。

「いつか舞台を拝見したいですね、私たちが生きているあいだに」

精進しようと思う。

でも自分は自分のために。


それが誰かのためになっていれば
それほどうれしいことなない。
posted by Naoki Saitoh at 02:56| 日記

2011年06月10日

人はいつになったら死ねるんだろう。

年老いて記憶をなくしたとき、
死んで肉体がなくなったとき、
人に忘れられたとき。

4月の芝居のピランデッロの1篇はまさにそんな話だった。
墓というのは生きている人間のためにあるという。

あの日僕は新宿にいた。
豆腐みたいに揺れる高層ビルを目の前に
こんな風に終わるのかもしれないと立ち尽くした。

東北の惨状を見て愕然としたと同時に
自分も一瞬で終わる存在なのだと思い知らされた。

犠牲者の方々が仮埋葬されている広場を通り
そっと祈る。

墓の前で悲しむのは生き残った人間の役目なのだ。


人間は忘れることができるから前に進めるのかもしれない。

でもこれを忘れるのはまだまだ先のことだろう。

それまで自分自身が生きていられるかどうか。

まだまだ闘いははじまったばかりなのだ。


写真はあまり撮らなかったが
Kさんに送ってもらったものを
自分が忘れないように載せておこう。
いろいろありがとうございました、Kさん。

2011-06-04 08.22.22.jpg
日和山公園から門脇地区を臨む

2011-06-04 08.35.10.jpg
ずれたままの芭蕉の像

2011-06-04 09.33.19.jpg
女川の港

2011-06-04 09.36.22.jpg
どうしたらこうなるのか

2011-06-04 09.41.04.jpg
この先に原発がある

2011-06-04 09.41.29.jpg
こんな光景ばかりだった

2011-06-04 09.52.42.jpg
丘を越えて津波が襲ってきたそうだ

2011-06-04 09.39.30.jpg
写っているのは僕と、同行してくれたSっち 
病院があるこの高台まで水がきたそうだ


最後に希望の1枚。
posted by Naoki Saitoh at 01:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記